ジャンボタクシーにライバル出現!
幸いなことに、今同のフルモデルチェンジ。
てはシヤシーも一新して、あたらしいプラットフォームにすることが、チーフエンジニアから伝えられていましたから、それならデ、ザイナーからの意見をそこに加えて、脳惜しい命題に取り組んでいこうということになったわけです」こうした方法を彼らはヴィ-クル・ダイナミックスと名付けた。
そして、デザインのプロセスに関して五つの基未方針のもとに、年末を展開していったのだった。
デザイン着手はより遅く、完成はより速く外皮だけの意匠ではなく、ボディの骨松山にまでデ、ザイナ-の-要請を浸透させるためにはそれなりの理論武装が必要だった。
長屋はひとつの新しい取り組みを始めた。
それは、内外の乗用車について、各部の寸法比率守調べるというものであった。
その結果、高級事には高級車の、大衆車には大衆車のプロポーションが存在することを立証したのである。
これはCQC(多変量解析)という手法を用いたもので、感覚に頼り、比率などについてこれという理念を持たず、単に寸法面での比較程度に終わっていたデザイン部門のリサーチとはまったく異なる新しいものである。
その成果はアリストの発表直前に、第二六回の品質管理学会で発表(もちろん開発中のアリストの名前は出していないが)された。
これについては別項で詳しく述べることにした。
さらに、東京のT車の展示ル-ム『アムラックス』を舞台にして、アメリカの高級車ユーザーと同時にプロダクトクリニックも行ったし、外形デ、ザイナーがそれまではほとんど無縁、であったパッケージングの企画に参画していった。
また、各部のデザインに関して、先行空力サーベイを行って得た知見を、デザインの要素として積極的に織り込むこともやった。
彼は『ワケアリデザイン』と呼んでいるが、ともかくなぜこういう形状を採用したか?ということについて、理にかなっているからということを説明できること、もっといえばすべての形状について意味があるものにするということであった。
これらが、「スタイリング」ではなく「デザイン」である、と断言する理由なのであるが、それに加えてこれまでにはなかった四つの要素が組み入れられたのだった。
そのひとつは「インハウスコンペ」を実施したこと。
これはアリストのプロジェクトとしては最初だった。
つぎには企画からラインオフまでの期間、同じデザイナーが一貫してフォローしていくという体制を敷いた。
同じ人聞が企画から生産管理までを担当するということで、初期の企画意図が生産にかかるまで、継続されることができた。
これは、現在でも規模の小さな自動車メーカーでは通常のことである。
が、Tのような大所帯になると、なかなかできなかったことなのだ。
二O年以上前、であれば、デザインにたずさわる人員も少なく、開発する銘柄も限られていたから、トヨ夕でも特別の場合をのぞいて当然行われてきたことなのだが。
それが組織の肥大によって、デザイナーといえども大きなシステムのなかに組み込まれ、ひとつのプロジェクトに最初から最後まで子を染めるといったごく当たり前であったことが、人事異動や会社の都合によって担当をころころと変えられていくようなシステムに変質していた。
だが、そうしたやりかたは、ひとつの商品の完成度を高めていくには適していない。
その欠点に気づいたアリストの開発スタッフたちは、ラインオフまで一貫して担当したデザイナーを変えないという方向を選択したわけである。
それは、設計部門とデザイン部門との狭間にある意志の疎通の不備をなくしていった。
なにが問題なのか?を徹底して洗い出し、設計のやりやすさや生産工程のために、デザイン部門が主張を曲げさせられるといった部分をなくすことに成功した。
また、情報とくに海外市場からのホットな意見や要求、その傾向をデザイン部門がリアルタイムに認識するためのインターナショナル・プロダクトとしての取り組みも積極的に行った。
アメリカにあるTMS(北米T)とをサテライトTVで結んでのテレビ会議は、毎月一回ずつやり、デザイン・コラポレ-シヨンの緊密化を凶ったのである。
何度かわれわれも現地に行きまして、プレゼンテーションをやり、意見を聞くとともに、新鮮な顧存の要求や好みを知ろうとする努力ぞ続けました。
同時にデザイナーによる広報活動もやってきました」また、これは年未能率の問題であるが、着手はよりあとから、そして完成はより迅速にして市場との遊離を極力避けるという意味と、人的なコストを切り詰めるといった観点から、開発期間の短縮プロジェクトとしても、このアリストの企画は画期的なものとなっている。
Tでは高級車はじっくりと作ることが常識になっていたが、アリストの場合には違った。
高級車としては異例ともいえる、デザイン決定後一八カ月でデ-タ出力(それによってただちに生産型を作ることができる段階)に漕ぎつけたのであった。
これは、木型での承認というプロセスをかなり簡略化したことで実現したといえるだろう。
デザインにSQC(統計的晶質管理)を採り入れて自動車メーカーのデ、ザイナーにとって、「将来どんなスタイルのクルマが売れるのか-は最大の関心事である。
そして「いかにすればよく売れるスタイルを創造できるか」は、彼らの生きがいである。
しかし、残念ながらこのふたつのテ-マに完全な正解があるとはいえない。
ただ、なんとかして正解を見つけ出そうとして、数多くのデ、ザイナーたちは日夜努力をしてきた。
しかし、その努力はこれまで、常に感覚的なものが前面に押し出されていて、科学的な裏づけはなく、まさに試行錯誤の繰り返してあった。
もちろん、単なるスタイルだけで自動車が売れるわけではなく、走りの性能や経済性、安全性、、居住性、信頼性、整備性といった条件がある。
しかも、ブランドの魅力であるとか、あるいは時代の要請、流行という白動車を取り巻く社会的な環境条件がこれに加わる。
しかしながら、多くの買い手はまずスタイルで、購入すべきクルマを決めることは事実なのだ。
結果として販売成績が良ければ、それは良いデザインであり、良いクルマとしての評価を受けてきた。
いろいろの条件は存在するにしても、デザインを企画・創造する人びとに対して、よりどころとなる指標を設定し、それにもとづいて外形を提案させるほうが、闇雲に数多くのレン、ダリングを描かせて、それらの中から幹部デ、ザイナ-や経営陣のカンに頼って、生産すべきスタイルを決定してきたこれまでの方法から脱皮することを、長屋たちは模索していった。
それがデザインにSQCを応用するという、ちょっと聞いたところでは突飛にも感じられる研究である。
彼はその論文のなかでこう述べている。
「デザインという業務が、結果重視に霊有しがちで、デザイン企画〔以下デザイニングという〕や開発プロセスず此いものを提案するのは『発想』が根幹であり、『解析』とは疎遠であるという図式に起因している。
『解析』が高度化するほど『発想』が重要視されるのは明白だが、キーポイントは『どのように発想を生み出すか、発想のプロセスが肝心』なのである。
同様な条件・データ・器材含有する高度情報化社会仁おいては、顕著な環境の差というのは生じ難い。
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